
目次
1. まずは「動線・間取り・広さ」をはっきりさせる
ランドリールームや洗濯室を設ける際に最初に決めるべきは、自分たちが望む生活動線と必要な広さです。
ポイントは「そこだけにこだわらない」こと。家事は他の作業(料理・育児など)と並行して行うことが多いため、キッチンや家族の生活動線と近接させると効率が大きく上がります。
- キッチン近くに配置 → 料理をしながら洗濯の切り替えがしやすい
- 家事動線全体を俯瞰して設計することで無駄な往復を減らす
アナロジー:ランドリールームは「家事の小さな工場」。工程(洗う→干す→たたむ→しまう)がスムーズに流れるレイアウトが生産性を上げます。
2. 屋外干しと室内干しの使い分けを考えた配置
晴れの日は外干し、雨の日は部屋干しを使い分けるなら、ランドリールームの近くにベランダや出入口を設けるのが便利です。
動線が短ければ濡れた洗濯物の移動や干し替えが楽になります。
- ベランダ直結 → 布団や大物もスムーズに移動可能
- サンルーム風に室内干しスペースを併設 → 天候に左右されない家事が可能
3. 「しまう」までを考えた収納計画
洗う・干す・たたむだけではなく、その後の収納まで含めて動線を作ると家事ストレスが減ります。
選択肢:
- ランドリールーム内に収納(タンス・棚)を設置 → ワンストップで完了
- 近接するクローゼットや収納スペースに直結 → 部屋を圧迫せずスッキリ
メリット・デメリット
- ランドリールーム内収納:便利だが部屋が狭くなる可能性
- 近接収納:部屋を広く保てるが、移動距離が生じる
4. 湿気対策は設計段階で必須
洗濯室は湿度が上がりやすく、特に梅雨時期はこもりがち。後悔しないために湿気対策は必ず設計に入れるべき項目です。
対策例:
- 窓を設けて自然換気を確保(可能であれば対角換気)
- 調湿機能のある内装材を採用(珪藻土など)
- 除湿機や換気設備(24時間換気、局所換気扇)を設置
- 余裕があれば専用のエアコンを検討(冬場の室温管理や除湿に有効)
比較:
- 窓あり:電気代低、自然換気だが設置できない場合も多い
- 機械換気/除湿器:設置場所の自由度あり、ランニングコストがかかる
5. デザインも楽しむ — 家事が楽しくなる空間に
注文住宅の利点はデザインの自由度。ランドリールームも**「機能だけでなく居心地」**を整えると家事が楽しくなります。
アイデア:
- 壁紙(クロス)で好みのテイストにする
- 観葉植物や小物で気分を上げる
- 明るめの照明+間接照明で作業しやすくする
- 床材は水に強い素材(タイル、耐水フローリング)を選ぶ
6. 具体的な設計チェックリスト(導入前に確認)
- 家事動線と洗濯動線が重ならない無駄はないか?
- ベランダや外干しスペースへのアクセスは短いか?
- ランドリールームの広さは標準の洗濯機+作業スペースを確保できるか?(作業台、たたみスペース)
- 収納は「しまう」まで見越して十分か?(高さ・奥行き)
- 換気・除湿設備は確保されているか?(窓/機械換気/除湿器)
- 床や壁の耐水性は適切か?
- デザイン面(照明・クロス・小物)で家事が楽しくなる工夫があるか?
7. よくある失敗パターンと対策
- 失敗:動線を考えずランドリールームが孤立 → 毎日の移動が面倒に。
対策:設計時に家全体の動線図を作り、導線の最短化を検証する。 - 失敗:換気が不十分でカビや臭いが発生 → 衣類の衛生問題に。
対策:窓+機械換気を組み合わせる/調湿素材を採用。 - 失敗:収納が足りず室内が散らかる → 家事効率低下。
対策:しまう場所を具体的に決め、必要な収納量を数値化して確保する。
まとめ — 重要ポイントの要約
デザイン面も忘れずに――好きなクロスや照明、小物で家事が楽しくなる空間に。
ランドリールームは動線(特にキッチンとの連携)と広さを最初に決める。
ベランダや外干しへの動線、洗ってからしまうまでの収納動線を設計段階で組み込む。
湿気対策(窓/調湿材/除湿機/換気)を必須で検討する。