
注文住宅で間取りを考える際、近年とくに注目されているのが「ランドリールーム」や「洗濯室」の配置です。中でも、2階や3階といった上階にランドリールームを設けるプランは、家事動線を重視する方を中心に人気が高まっています。しかし便利そうに見える一方で、実際に暮らし始めてから後悔につながりやすいポイントがあるのも事実です。
ここでは、注文住宅で2階・3階にランドリールームや洗濯室を設置する場合に注意すべき点と、その具体的な解決策を、暮らしの実態に即した目線で詳しく解説していきます。
目次
上階ランドリールーム最大の注意点は「漏水リスク」
まず最も重要なのが、漏水リスクの問題です。注文住宅で1階にランドリールームや洗濯室を設置している場合、仮に洗濯機のホースが外れたり排水トラブルが起きたりしても、床や壁を拭き取るだけで被害を最小限に抑えられるケースがほとんどです。
しかし、2階や3階にランドリールームを設置した場合、話は大きく変わります。万が一漏水が発生すると、その水は床を伝って下の階へ落ち、1階のリビングや廊下、場合によっては収納内部まで被害が及ぶ可能性があります。こうなると、天井クロスや壁紙の張り替え、場合によっては下地の補修まで必要になり、思わぬ修繕費が発生することになります。
漏水リスクへの現実的な解決策
このリスクを抑えるためには、注文住宅の設計段階から対策を講じることが不可欠です。具体的には、ランドリールーム専用の防水パンの設置、床材を防水性の高い素材にすること、排水経路をできるだけシンプルにすることが挙げられます。また、配管計画については必ず専門業者と相談し、将来的なメンテナンスのしやすさまで考慮した設計にすることが重要です。
洗濯物を運ぶ手間は想像以上に負担になる
次に挙げられる注意点が、洗濯物を運ぶ手間です。特に子育て世帯では、毎日の洗濯物の量が多くなりがちです。1階で脱いだ衣類を、2階や3階のランドリールームまで何度も運ぶ生活は、想像以上に負担になります。
間取りを考える段階では「動線が短くて便利そう」と感じても、実際の暮らしでは小さなストレスが積み重なっていくことが少なくありません。
家族の行動を前提にした解決策
この問題に対しては、家族全員の行動を前提にした工夫が必要です。たとえば、子どもには「1階で脱がず、自分でランドリールームまで洗濯物を持っていく」習慣をつけることも一つの方法です。これは単なる家事負担軽減だけでなく、生活習慣を身につける教育的な側面もあります。
それでも現実的に難しい場合は、1階に大きめの洗濯カゴを設置し、ある程度たまったタイミングでまとめて上階へ運ぶ方法がおすすめです。上り下りの回数を減らすだけでも、日々の負担感は大きく変わります。
上階にランドリールームを設けると費用は高くなりやすい
もう一つ知っておきたいのが、コスト面の問題です。一般的に、ランドリールームや洗濯室は1階に設置するよりも、2階・3階に設置する方が建築費用は高くなる傾向があります。
理由としては、給排水管を上階まで延ばす必要があることや、防水・遮音対策が追加で必要になることなどが挙げられます。できるだけ建築費を抑えたいと考えている方にとっては、上階ランドリールームは慎重に検討すべき選択肢といえるでしょう。
それでも上階に設置したい場合の考え方
それでもどうしても上階にランドリールームを設置したい場合は、他の部分でバランスを取ることが重要です。例えば、壁材や床材のグレードを一部見直す、収納を造作ではなく既製品にするなど、コスト調整できるポイントを専門業者と相談しながら検討するとよいでしょう。
「便利そう」だけで決めないことが後悔を防ぐ
上階にランドリールームや洗濯室を設置するプランは、暮らし方によっては非常に便利です。しかし、その一方で、漏水リスク、日々の動線負担、コストといった現実的な問題を抱えているのも事実です。
注文住宅は一度建てると簡単に間取りを変えることができません。だからこそ、「今の暮らし」だけでなく、「数年後、十数年後の生活」まで想像したうえで判断することが大切です。メリットとデメリットを正しく理解し、自分たちの暮らしに本当に合ったランドリールームの配置を選ぶことが、後悔しない注文住宅づくりにつながるといえるでしょう。